ラブストーリーを一緒に
先生がそんなに笑う意味はよくわからないけど、


いかつい顔した先生が楽しそうに笑うのを見たら、少しずつわたしの緊張もほぐれていくような気がした。


今なら、言えるかもしれない。


「あの…」


「今度はなんだ?行き先ならそんな遠くないぞ」


一回小さく深呼吸をする。




「先生の書いた『クローバー』読みました」




先生は一瞬言葉に詰まり、ややあって「そうか」とだけ呟いた。




あれ…?




「先生?」


「なんだ」


「感想…聞かないんですか?」
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