ラブストーリーを一緒に
先生が連れてきてくれたのは、繁華街から少し外れたところにある、隠れ家的なバーだった。


『Pearl Blue』という名前は、お店まで来て初めて知った。


歴史を感じさせる木目調の扉を開けると、中の照明は随分おとしてあって、


奥にある大きなグランドピアノが目に入る。


カウンターには所狭しとボトルが並び、ゆったりとしたジャズが流れる中、


ソファー席やカウンターで紳士淑女がお酒を嗜む。


わたしなんかはドラマとか映画とかでしかお目にかかったことがない、大人の世界。


…そう、明らかにわたしは浮いていた。


自分でも、今まさにお子ちゃまであることが身に染みてる。


先生と、全然釣り合ってないことも。
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