先生、教えて【短】



…正直言えば、まだあたしは放心状態だ。



放課後?

めったに人の来ない資料室で……。


…二人きり?




『――っ!!』


顔が赤くなるのが、自分でも分かった。


二人きりなんて…絶対無理だよ!

心臓絶対どうにかなるって……。



…でも、すごい楽しみだ。



あたしは放課後のことで頭がいっぱいで、

その後の授業はまともに理解できなかった――。







「おー、いらっしゃい」

先生はイスに座ったまま、あたしを出迎えてくれた。



…なんか、先生余裕だな。

あたしはこんなにも必死なのに。


緊張してるのがばれないように、
ギュッと胸に抱えた教科書を抱きしめる。





< 3 / 21 >

この作品をシェア

pagetop