先生、教えて【短】
…正直言えば、まだあたしは放心状態だ。
放課後?
めったに人の来ない資料室で……。
…二人きり?
『――っ!!』
顔が赤くなるのが、自分でも分かった。
二人きりなんて…絶対無理だよ!
心臓絶対どうにかなるって……。
…でも、すごい楽しみだ。
あたしは放課後のことで頭がいっぱいで、
その後の授業はまともに理解できなかった――。
「おー、いらっしゃい」
先生はイスに座ったまま、あたしを出迎えてくれた。
…なんか、先生余裕だな。
あたしはこんなにも必死なのに。
緊張してるのがばれないように、
ギュッと胸に抱えた教科書を抱きしめる。