49日
……幻……覚……?


近藤さんの死を突然目にして、一種の錯乱状態になってしまったんだろうか。


だけど、そんな考えは次の瞬間あっさりと消えた。


!?


洗面台の鏡に写った自分の背中。


それを見た麻里子はゴクリと唾を飲んだ。


「これ……」


やっぱり、幻覚じゃなかったんだ……。


それが時枝絵里香だったのか、近藤愛だったのかはわからない。


でも間違いなく後ろには誰かいた。


それを証明するかのように、麻里子の背中には水に濡れた誰かの手の跡がべったりと残っていた。


まるで、自分の存在を麻里子に知らせるみたいに…………

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