49日
麻里子の視線に気付いたのか、犬飼はチラリとこちらに目を向けた。


そして、不安な表情を浮かべていた麻里子に対して、優しく微笑んでくれた。


――大丈夫。


口に出して言ったわけじゃないけど、犬飼の笑顔から優しさが伝わった。


――怖いけど、もう大丈夫。


麻里子がコクンと頷くと、それを見た犬飼は先に手を合わせた。


あとは、あたしだけ……
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