49日
男は麻里子たちを押しのけると、彩たちが備えた花を乱暴に放り投げた。


そして、自分が持ってきた花をかわりに備える。


その失礼な態度に大輔が「何すんだよ!」と声を荒立てた。


しかし、男は何も言わず墓石を掃除している。


「おい、シカトしてんじゃねぇよ!」


「大輔」


イラだっている大輔を犬飼がなだめた。


――なんなのこの人?


男のせいで険悪な空気が流れてしまった。
< 139 / 458 >

この作品をシェア

pagetop