49日
あの日もそう……


ちょうど今日みたいに雨が降っていた。


あのときの光景は……


いまでも忘れられない……


その日、ひとりの少女が自殺した。


教室の黒板に自らの“血”で遺書を残して……


死因は出血多量。


麻里子たちが発見したとき、自殺した少女は自分の机にぐったりと座っていた。


黒いセーラー服を真っ赤に染めて……


考えられるだろうか?


死ぬだけなら他にもっと楽な方法がありそうなのに、


彼女は文字どおり“死ぬまで”自らの体をナイフで傷つけ、


流れ出る血をインクにして怨みを書き残すことを選んだ。


その、自殺した少女の名が……


時枝絵里香。

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