49日
「あ、うん。今日のためってわけじゃないけど、最近買ったやつだから着るのは初めてかな」


「ふぅーん」


「へんかな?」


心配そうに早苗が聞き返す。


「うーん。なんかちょっとね。ワンピース着るにしても、白じゃなくて柄があるやつのがよかったんじゃない?」


そういって美佳は鏡ごしの早苗に目をやった。


言われた早苗も鏡に写る自分に目をやる。


似合わない……かな?


この白のワンピは早苗のお気に入り。


値段だっていつもなら買わないような少し高めのものだ。


それだけに、遠回しに“似合わない”って言われたことが、ショックだった。


しかし、そんなことを気にしない美佳はさらに続ける。
< 211 / 458 >

この作品をシェア

pagetop