49日
「バカバカしい。あたし帰る」


加奈子はぶっきらぼうに言い放つとバッグを手に立ちあがった。


しかし、加藤が帰り道をふさぐ。


「おいおい、ひとりだけ逃げるのか?」


「は? 逃げる? 誰かのせいでしらけたから帰るんでしょ」


加奈子はそういって加藤の横をすり抜けた。


でも……


「聞きたくねえのか? “時枝絵里香”の言葉」


!?


その“名前”が出た瞬間、辺りの空気がピーンと張り詰めた。

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