49日
「電話なんだって?」


これまで会話に参加してこなかったまさしが聞いた。


「早苗ちゃん、トイレにいないって」


「いない?」


「うん。だから愛里ちゃんたちは外に探しに行くってさ」


その言葉に今度は健太郎が口を開いた。


「おれらどうすんの?」


「だからそれをこっちで決めてって。ここで待機するか、今日は解散するか」


その言葉で男性陣は顔を見合わせる。


だが相談するまでもなく、その場の空気で答えはもう決まっていた。


「とりあえず出ようぜ。ここにいてもしょうがないし」


まさしが言う。


早苗のことを心配してるようにもとれるが、


本音はこんな空気のままカラオケなんてしたくないだけだ。
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