49日
美佳はユウヤのその質問にゆっくりと答えた。


「49日の儀式を行うとき、儀式をおこなう人はバースデーソングを歌うの。4日前に私たちはそれをやったばかりだったから、早苗はバースデーソングに敏感に反応しちゃったんだと思う。それに……」


「それに?」


「呼び出した相手の名前も同じエリカだったから、なおさらかな」


「でも、そんなの偶然でしょ」


タカシは鼻で笑った。


だけど美佳はいっさい表情を変えない。


「そうね。でも早苗はそうは思わなかったんじゃないかな」


美佳はそれだけ言うと、再びタバコを口に運んだ。


さっきまでの清楚な雰囲気はどこにもない。


「とにかく、出ようぜ。もう合コンって空気でもないし」


そういって、健太郎が話しを終わらせようとする。


でも……


「私は行かない」


美佳は動かなかった。
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