49日
「あ、いえ」


「では、ご案内いたします」


「あの、すみません」


「はい?」


麻里子は慌てて店員を呼び止めた。


どの部屋でもいいと言ってしまった手前、いまさら言いにくいんだけど……


「あの、他のところって空いてますか?」


「は?」


「出来れば違う部屋がいいんですけど……」


「あ、はい。大丈夫ですよ。少々お待ちください」


店員はそう告げると再びレジで何やら操作をはじめた。


「では、53番のお部屋でよろしいですか?」


「はい。それで大丈夫です。すみません」


「いえ。では、こちらへ」


麻里子は店員に案内されて53番の部屋へと向かった。
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