49日
麻里子が案内されたのは一人用の個室だった。


お世辞にも広いとはいえないけど、まぁ一人で時間を過ごすには十分な空間。


部屋にはふかふかの椅子とパソコンが置いてあった。


「それでは、ごゆっくりどうぞ」


「はい、ありがとうございます」


麻里子は戻っていく店員に声をかけると、荷物を下に置いた。


さすがに床に寝ころぶスペースはないけど、


椅子の背もたれが倒れるみたいで、十分寝ることもできそうだ。


これならファミレスの椅子で一晩過ごすより、疲れもとれるだろう。


でもまさか、マンガ喫茶で泊まることになるなんて……


麻里子は上着を脱いでハンガーにかけると、洗面所へと向かった。
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