49日

「俺たちは関係ないって思いたい気持ちはわかるよ。けど逃げてちゃ解決しないだろ。なんのために集まってもらったと思ってんだよ」


「……」


犬飼の言葉を最後に少しの沈黙が訪れた。


次に聞こえたのは「私たち、やっぱり死ぬのかな」という加奈子の小さな独り言だった。


その言葉に犬飼が答える。


「いや……助かる方法ならあるかもしれない」


「えっ？」


その瞬間、俯いていたみんなが一斉に顔をあげた。


「生きたいなら49日の秘密を解くしかない」


「秘密？」


加奈子が眉間にシワをよせて聞き返した。


「ああ。渡瀬に教えてもらって俺も調べてみたんだけど、どうやら『49日』には絶対に破っちゃいけないルールがあるらしい」


「絶対に破っちゃいけないルール？　なにそれ？　じゃあ、死んだみんなはそのルールを破ったってこと？」