49日
ふぅー…

一息ついた莉音が麻里子に声をかけた


「ごめんね。みんなには聞かれたくなくて……」


「ううん。大丈夫。それより話しって?」


麻里子が声をかけると莉音は深刻そうな表情を浮かべ、ゆっくりと話し始めた。


「時枝さんが自殺したときのことなんだけど……」


「えっ?」


「まりちゃん、あのときのこと覚えてる?」


「……うん」


もちろん、忘れるわけがない。


忘れられたらどんなにいいか……


莉音は続ける。


「あのとき、黒板には私たちの名前が書いてあった。まりちゃんの名前もあったよね?」


「うん……」


「そう……。伊東先生をはじめ、3年A組全員の名前が黒板に書かれてた。みんな自分の名前を消すのに必死だった。……ある“一人”をのぞいて」
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