49日
「えっ……?」


いまなんて?


状況が読めてない麻里子に莉音はあらためて言った。


「ひとりだけ、黒板に名前が書かれてない人がいる」


「どういうこと?」


「みんな自分の名前消すのに必死だったから気付いてないよね。でも私見ちゃったんだ。あのとき、たしかにひとりだけ名前を書かれてない人がいた」


「誰なの?」


「それは……」


「二人で何話してるの?」


!?


莉音が名前を言いかけた瞬間、タイミング悪く声をかけられた。


そこにいたのは犬飼だった。
< 416 / 458 >

この作品をシェア

pagetop