49日
「ううん。別になんでもない」


莉音はごまかすように犬飼に言った。


そして、


「まりちゃんごめんね、49日と関係ない話ししちゃって。気にしないで」


「あ……!」


麻里子にそう言うと、莉音は逃げるように加奈子たちのもとへ戻っていった。


「何話してたの?」


二人になった犬飼が麻里子に尋ねる。


「うん、実は……」


言いかけて、麻里子はやめた。


莉音が自分にしか話さなかったことを、自分が犬飼に話していいのか。


「どうしたの?」


「ううん。なんでもない。たいした話しじゃないから」


「ふぅーん。そう」


犬飼はそう言うと、みんなのもとへ戻っていった。
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