49日
ひとりになった麻里子の頭に莉音の言葉がよぎる。


――あのとき、一人だけ黒板に名前を書かれていない人がいる。


たしかに莉音はそう言った。


もしそれが本当だとしたら、いったいそれは誰なんだろう?


なんでその人だけは名前を書かれなかったんだろう?


頭のなかでグルグルと答えがまわる。


でもいまは、これ以上考えても答えは出そうにない。


それに“そのこと”と49日は関係ない。


いまは他のことを考えてるときじゃないんだ。


麻里子はとりあえずいま聞いた話しを胸の内にしまい込んだ。


しかしこの判断こそが、大きな間違いであった。


それに気付かない麻里子はみんなのもとへと向かう。


この先の未来を案じているのか、ひぐらしが悲しげに鳴いていた……………
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