49日
店員が早苗のドリンクを用意している最中、二人は一言も言葉を交わさなかった。


喉がかわいてるわけじゃないけど、ミツルはとりあえずビールを口に運ぶ。


そうでもしないと場がもたない。


いったい、話しって?


ミツルのポーカーフェイスの下では、様々な不安の表情が隠されていた。


「はい、カシスオレンジです」


店員が早苗の前にドリンクを置く。


だが早苗はそれに口をつけようとはしなかった。
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