49日
「どうしたの?」


「えっ?」


「?」


「いや、別に何でもないよ」


「ふぅーん。そう」


そういって早苗は自分の席に座り直す。


そして目の前に出されていた自分のグラスにようやく口をつけた。


変な女。


こんな奴だったっけ?


グラスを口に運ぶ横顔。


その姿がなんとも妖艶だった。


ブ-…ブー…ブー…


携帯はまだ震えている。


いったい誰だろう?


疑問に思いながらもミツルは通話のボタンを押した。
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