49日
「はい、どうぞ」


「ありがとう」


麻里子はコーヒーを受けとった。


だがその後、二人とも無言になってしまう。


長く続く沈黙。


その重苦しい空気を先に破ったのは、近藤愛のほうだった。


「伊藤先生のことだけど……」


「えっ?」


「自殺だと思う……?」


「それは……」


麻里子は言いかけて言葉を止めた。


――自殺だと思う。


そう答えるには、あまりにも不思議なことが起こり過ぎていた。
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