49日
「あの、近藤さん。ちょっといいかな?」


麻里子は浴室の外から声をかけた。


でも返事はない。


麻里子は小さく息を吐くと続ける。


「あのね、いま犬飼くんから電話があって、みんなで集まろうって話になってるんだけど近藤さんも一緒に来ない?」


しばらく彼女からの返事を待つ。


でも反応はない。


それでも、昨日みたいに取り乱さないことに麻里子は少しほっとした。


一晩たって少し落ち着いたのかもしれない。
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