期間限定彼氏様!?
「…ま…まさか…“あの”兼松グループの娘だなんて…」
「本当かどうかは、お父さんとお母さんが残した遺産と戸籍を見ればわかります」
もう誰一人口を開こうとする者はいなかった。
「藍を…返してください」
「………」
――ガラ
アタシが前ここに来た時と同じように扉が開いた。
「もういいだろ?」
「……陽」
「終わりにしてやれよ。
金だって実優なら何とかできるし
藍だって実優のトコに戻りたいだろ?
全部解決してスッキリじゃん。
これ以上何がしたいの?」
すると今までなにも言わなかった藍のお父さんが喋った。
「……すまない…藍、わしはお前の気持ちなんて考えていなかった」
「……親父」
「わしらは、どれ程の間会話をしなかったんだろうな…」