期間限定彼氏様!?

「俺も…悪かった、これからはちゃんと家に帰って来るよ」


その光景を見た藍の義母さんは目に涙を浮かべていた。


「私も悪かったわ藍、ごめんね…」


「……いいよ、そんなの」

「実優さんも、悪かったわ…ごめんなさい」

「わしも、すまなかったね…」


「私も、ごめんなさい。これでもう、全部終わりです」



――これで…終わったんだ、全部全部終わったんだ。


全て解決した。


あとは……


「実優、外出ようか?」


「うん」


やっと呼んでくれた…アタシの名前。



久しぶりに聞くあなたの声や久しぶりに見るあなたの姿。


愛しくて、切なくて……


心が暖かくなった。


今までに流した涙も、悲しみも、全てこの日に繋げるための道だったのかな?


そうだとしたら、今までの事全部はちっぽけな事だったんだ。


アタシが苦しんでも、この地球からしたら、ちっぽけな出来事。


そう思ったら全部いい思い出。


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