期間限定彼氏様!?
「なぁ、実優。もう一度俺と付き……
――パシン!!
アタシは藍のホッペを叩いた。
「いってー!!!」
「これ、今まで全部の苦しみだから♪
これだけですむんだから、ありがたいと思ってよね?」
「……じゃあ」
「今度は絶対に離さないで?」
そう言ってアタシは藍の胸に飛び込んだ。
「絶対離さない。もう…何があっても実優だけを愛してる」
この言葉をどれだけ待ったことだろう?
やっと聞けた、『愛してる』。
ずっと抱き締めてほしいと思ってた。
アタシは藍の背中に手を回し、強く力をいれる。
すると藍は答えるように、息も出来ないくらい強く抱き締めた。
顔をあげると、藍のドアップ、アタシはゆっくりと目を閉じた。
優しいキスだった。
甘いけど、少しだけ苦い、そんなキス。
藍に出会って一年。
長い長い月日をかけたアタシたちは今日、やっと幸せを迎えたんだ。