期間限定彼氏様!?
「どこ行く?」


「んー。藍が行きたいところでいいよ?」


「わかった」


すると、藍はあたしの体を持ち上げ、自転車の後ろに乗せる。



あたしは藍の背中にしがみついた。


「どうした?」



「なんでもないよ?」


それから藍は、自転車を走らせた。



風がすごく気持ちよかった。



「もうすぐ着くからな?」


「うん!」


―数分後。


「ココって…あの時の、ゲームセンター?」


中へはいると藍が言う。


「今度は何取ってほしい?」



「じゃあ~、あのクマさん!」


藍。

あたしね、実はまだ持ってるんだよ?


あの時取ってくれたウサギのぬいぐるみ。


今でも、大事にしてる。


「わかった!今度は一発でとるからな?」



久しぶりかもしれない。


こんなに安心したのは


それに


こんな楽しく感じたのも。


あたし、あの日から、ずっとずっと安心できなかったの。



不安で不安で仕方なかったの。






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