期間限定彼氏様!?
次第に雨が降り出し、あたしの肩を濡らしていく。



――ザァァァァ

びしょ濡れになりながら、草を掻き分けてアレを探す。


―クシュン!!

「うぅ…寒」


くしゃみと鼻水と雨で顔がグシャグシャになってゆく。



「アタシ、どこに落としたのー?」





一時間くらいたった頃…


頭がガンガンする。
風邪引いちゃったかな?


でも、アレ探すまで絶対…諦めない…んだか…ら。



「おい!!実優!」


懐かしい声と手が肩を揺らす。


「…ら…ん?」

「こんな雨の中なにやってんだ!!学校戻るぞ!」

あたしを立たせて、おんぶした。


「ダメ!!!探さないと…いけないの」


「こんな時に何を探すんだよ!?」


「……ま…り…」

「は?」


「藍がくれたお守り」



< 85 / 112 >

この作品をシェア

pagetop