期間限定彼氏様!?
「うん、じゃあね」
アタシはニコッと微笑んで、靴をちゃんと履かないまま玄関を出た。
藍の家を出ると今で作っていた表情が嘘のように
少し温かい雫が頬を伝った。
拭っても拭っても溢れ出して……
どうしてこんなに苦しいんだろう。
なんで恋すると、一度は涙を流さなきゃいけないの?
アタシはその場にしゃがんで涙が止まるのを待った…。
ちゃんと履いていない靴が足を痛める。
「…くっ…ひっく」
せっかくのメイクも全部崩れて台無し。
今のあたしはきっとひどい顔してるな…
これ以上、藍との思い出がある場所に居たくなくてアタシは走って家に帰った。