期間限定彼氏様!?
「ほら実優、もうすぐ別れの時間だ」
観覧車はもう地面の近くまで来ていた。
「これを降りたら、アイツんとこ行けよ?」
少し寂しそうに、悲しそうに…
今まで見たことのない、明るい陽からは想像のつかない顔だった。
「うん、ねぇ陽。これだけは言わせて?
今まで、ありがとうございました」
彼はフッと笑った。
「おかえりなさ~い」
乗った時と同じように従業員が迎える。
アタシは陽より先に降りた。
そうするように、言われたから…。
『いいか、観覧車から降りたら俺たちの関係は終わりだ。
俺より先に降りて、一度も後ろを振り返るなよ?』