小さな蕾
ふと、時計を見ると7時42分をさしていた。

 やばい!もう1度時計を見直すが、7時42分にかわりはない。
 ただ、ちくたくと時が過ぎていくだけ。


 俺の願いはあっけなくおわった。


 学校まで急いで15分。8時までに門をくぐらなければ
 体育教師のゲルベロス…。
 本名なんだっけ?
 まぁいいや、そいつからの40分間の説教が待っている。



「伶奈!とばすからな。しっかりつかまっとけよ」


「うん」


俺は全力で自転車をこいだ。

 いつもこんなかんじ。


 どんどん変わっていく景色はもう見飽きた。
 息をするたびに白い小さな息が舞う。

 

 もう真冬の12月20日。



 当たり前だけどめちゃめちゃ寒い。
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