♂AND♀ANDワン?![完]

「え?」

俺は拍子抜けした返事をした。


「あの…聞いてたんですか?」

「ああ…わりい…そいつ
俺の犬でさ…
そいつも…昔君と同じ目
してたんだ」


「え?」


「この公園の隅っこかな?
土砂降りの雨の中そいつ
震えてた…俺が近付くと
怖がるんだ。
まるで人間に怯えてるように―。
そいつは体もボロボロで
多分前の飼い主に暴力振るわれたんだな…」


「……」


彼女は黙って聞いていた。

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