ランチな関係

甘い気持ち

―――嶋村さんがお風呂からでてきた時には、大体の食事の支度はととのっていた。


…きっと冷蔵庫の中身は何もないだろうとふんできたけど、案の定、ビールの缶が数本あっただけ…。


…この人…今までよく生きてこれたなぁ…。


わたしは感動にも似た心情で、嶋村さんを見詰めた。


「うわぁぁ〜…すごい、すごい御馳走ですねっ」


わたしの胸中を知ってか知らずか、


嶋村さんはいつもオムライスを食べるときのように、尻尾をふりながら美味しそうに料理を頬張る。


――…ご飯を食べている時の嶋村さんは、カワイイ。


ついついじっと見詰めていると、


「?小堀さん?どうしました?」


嶋村さんがおめめをぱちくりしながらこちらを向いた。
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