HAPPY DAYS
「君は何処の学校の何年生で名前は?」



違う教室で二人きり。


先生の口調は優しかった。


ありのまま答えると


「中学では部活してないの?」


と砕けた様子で尋ねる。


「…学校、余り行ってません」


驚くかな、と思ったのに先生は無反応。


「…具合が悪いんです、朝」


「お、私も中学の時そうだったな」


「ボクは起立性調整障害って病気で…」


「病気なんだ、その時は分からなかった」


「親が離婚して」


「同じだ」


「お母さんと二人」


「同じ」


先生は笑った。


「よくある事かな、な?」


先生は嘘言ってる?


「ギター好きか?」


頷く。


「ヒロシに教わってるんだってな」


また頷く。


「取り敢えず中学行って、放課後来い」


びっくりして顔を上げると
微笑んだままの先生の顔。


「高校はうちを受けろよ」
< 10 / 219 >

この作品をシェア

pagetop