HAPPY DAYS
音楽室を飛び出て、別棟の外へ、そこは中庭になっていてハナミズキが咲き初めていた。
あんまり綺麗なピンク色で、さっき触れ合ったばかりの花巻くんの唇を思い出してしまう。
ハナミズキから逃げるように、庭の奥まったところまで進むと、そこには大きな柳の木があった。
柳の木を怖がる人がいるのは、幽霊のイメージがあるから?私は柳の木が好きだ。
柔らかい枝が好きなのだ。
今回の痛みにも、耐えられるような、あなたのような強靭さを下さい。
私は柳の幹を抱きしめて願った。
柳は湿った葉っぱの匂いと、吉祥を知らせる葉擦れの音を、私にくれた。
まるで福音。
いつの間にか心が穏やかに落ち着いたのは、柳の木のパワーなのか。
きっとここに逃げ込んで来た時とは
別人のような晴れ晴れした顔になっていたはず。
生まれ変わったような気持ちで柳の枝から外界に出ると、
そこに私を待ちかまえていた人がいた。
タカノくん。
ひょろひょろ過ぎてどこかアンバランス。
多分私の事を好きだ。
好みでなくても親切にすべき?
「の、紀子さん!」
「はい?」
「ずっと前から好きでした。付き合って下さい」
つまんない申し込み。
でも…私にはタカノくんくらいが調度なのかも。
自分の心の声が脳に間違った信号を送ったのか、思わず頷いてしまった。
その時のタカノくんの顔。
生まれて初めて喜びに小躍りする人を見た。
こんなに喜んでくれてるんだからと思うべき?
そんな変人やめるべき?
悩む私の前で夢中で喜ぶタカノさんだった…。
あんまり綺麗なピンク色で、さっき触れ合ったばかりの花巻くんの唇を思い出してしまう。
ハナミズキから逃げるように、庭の奥まったところまで進むと、そこには大きな柳の木があった。
柳の木を怖がる人がいるのは、幽霊のイメージがあるから?私は柳の木が好きだ。
柔らかい枝が好きなのだ。
今回の痛みにも、耐えられるような、あなたのような強靭さを下さい。
私は柳の幹を抱きしめて願った。
柳は湿った葉っぱの匂いと、吉祥を知らせる葉擦れの音を、私にくれた。
まるで福音。
いつの間にか心が穏やかに落ち着いたのは、柳の木のパワーなのか。
きっとここに逃げ込んで来た時とは
別人のような晴れ晴れした顔になっていたはず。
生まれ変わったような気持ちで柳の枝から外界に出ると、
そこに私を待ちかまえていた人がいた。
タカノくん。
ひょろひょろ過ぎてどこかアンバランス。
多分私の事を好きだ。
好みでなくても親切にすべき?
「の、紀子さん!」
「はい?」
「ずっと前から好きでした。付き合って下さい」
つまんない申し込み。
でも…私にはタカノくんくらいが調度なのかも。
自分の心の声が脳に間違った信号を送ったのか、思わず頷いてしまった。
その時のタカノくんの顔。
生まれて初めて喜びに小躍りする人を見た。
こんなに喜んでくれてるんだからと思うべき?
そんな変人やめるべき?
悩む私の前で夢中で喜ぶタカノさんだった…。