HAPPY DAYS
駅の改札を出たいつものとこで、君代が待っていた。


「純、お帰り」

「おお」


君代はいつもオレを待ってる。待たせたとか、ムカつくとか、絶対言わない。


「待ってないで」


「迷惑?」


「…待たせてるかもと思うと、ちょっと精神的に負担」


「待ちたいんだよ」


「じゃ、約束しよ」


「…約束したくない」


「何で?」


「約束して来なかったら、諦めなきゃならないもん。私、純を諦めることなんか出来ないから」


「バカだなぁ。諦めなきゃいいよ。オレは…瀧澤と別れて来たから」


「…ホントに?」


「ホントに」


「私のせい」


「お前の為に別れた」


「それって…」


「大切にするよ。だから今日はこのまま家まで送る。泊まりはなし。ラジャー?」


「ラジャー、ラジャー」


君代は嬉しそうに腕に絡みつく。


「今日はうちでしよ」


「やだよ。君代んちお母さんとかいるだろ?」


「気にしないよ、誰も」


「オレは気にするの。絶対親だって気にするから、普通」
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