HAPPY DAYS
君代の家の夕飯は、君代ママと同じ、優しい楽しいものだった。

肉じゃがとトンカツと山盛サラダ、漬物も自家製で美味しいし、油揚げとワカメの味噌汁久しぶり。


「若い男の子は肉が食べたいものね?」


と焼肉もするという君代ママを
何とか止めた。


「あの、ボクそんな頂けないですから。いつも小食なんで」

「そんなこと言わないで頂いちゃって」


君代パパが途中で仕事から帰って来て合流。


「はじめまして。君代さんとお付き合いさせて頂いてます、花巻です。今日は夕飯を先に頂いてすみません」


と堅くなりながら挨拶すると、


「ママから聞いてるよ。やぁ、いい男だなぁ。礼儀正しいし。…ホントによかった」


と涙ぐむ。


君代パパは晩酌しながら

「君代はさ、こんな風に見えるけど、昔から優しい子でね。ハルマキくんみたいな子が貰ってくれたら、パパ安心なんだけどな」

と、何度もオレの名前を間違えて、君代を嫁に、と語る。


あんなことまでしちゃった以上、責任は取ります、とはさすがに言えない。


「パパ!花巻くんだよ!何がハルマキだよ、中華街かっつ〜の。もういいよ、純、私の部屋行こう」


とオレの手を引いて2階に上がった。




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