HAPPY DAYS
君代の部屋は
なんてゆうか、女の子の匂いがした。


昨日抱きしめた君代の身体の匂い。


ピンクだし化粧品いっぱいだし、色んな小物が飾ってあるし、時計まで造花だらけだし、落ち着かねぇ。


君代はオレの手を引っ張って、それこそピンクの塊みたいなベッドの上に座らせた。
この時点でオレ、完全なアウェー。


君代はオレにキスするとそのまま押し倒す。


オレ、されるがまま。


「…誰か来るよ」


「来ないって」


「娘が男と二人きりで部屋にいたら心配してくるよ」


「来ない。来たら私が怒るの知ってるから」


「でも…」


これ、完全に男女逆転パターンだろ?






ああ、オレやばいって。






この日から、毎日のように夕飯をご馳走になり、その後君代をご馳走になり、ってパターンは…嫌だ。


グダグダな恋愛してると、グダグダな生活になり、最終的にはグダグダナ人生に終わる。


それだけは避けたい。


君代の指がオレの前髪を掻き上げ、君代の唇がオレの額に触れた。


でも、今日は…いっか。







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