HAPPY DAYS
そういえば最近の毅くんは、なんか子供っぽい感じがなくなった。


元々大人びたとこのある子だったけど、背が私より伸びてからは一層無口になり、ヒロシと話す時も、音楽を語るのに、何だか背伸びした話をしていた。



そんなヒロシと別れたのは、あいつが意外とお調子者だったから。

別れないとまた大学落ちたら大変だ、と突き放した。


毅くんはそれを分かっていた節がある。


「ヒロシさん合格しましたよね、真知子さん、よかったでしょ?」
って言われた時、

この子は私がどんなにホッとしたか分かってる、と思った。



毅くんは本当にいろいろが見えている。普通の子では見えないものが見え、理解できるある種の天才だ。


そんな毅くんに好きな女の子かぁ。
字を書き進めている毅くんの肩が、思ってた以上に盛り上がっていて、ちょっと会わない間に逞しさが増したな、と感じた。

途端に何だか急に照れ臭くなってしまった。




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