HAPPY DAYS
問題は昼休みに起きた。


恒例になりつつある、純とボクとのお弁当タイムに、瀧澤がお弁当箱をぶら下げて、飛び入りしてきた。

「一緒にいいよね?」

「…なんで?」

複雑な表情の純は、口の中のご飯の塊を飲み込みにくそうにしながら、やっと答えた。

「普段、私は吹奏楽の子と食べてるじゃない?、みんな大会で今日いないのよ」


「ボクたち」

どんな意見であっても、言いにくそうな純の代わりに、ボクが言うべきだろう、瀧澤に。


「二人で食べたいから」

割ときっぱり答えたボクを制したのは意外にも、純だった。

「…毅、ありがと、でも…瀧澤が辛くないなら一緒に…」


「何にも辛くない、一緒に食べるわ、ありがとう」


瀧澤はちょうど正三角形を作るみたいに、ボクと純と同じ距離に座った。


「土曜日、ボンの校外のバンドのライブなんですって?」


瀧澤にも声をかけたな、ボンめ。気になり出した瀧澤にいいとこ見せるつもりなんだろう。


「二人とも行くんですってね、私も連れてって」


純の口の中のご飯はゴムか何かになったみたいに、モゴモゴしていた。
< 120 / 219 >

この作品をシェア

pagetop