HAPPY DAYS
そのやり取りを黙って見ていた毅が吹き出した。


「絶対笑える、おかしいよ、純と瀧澤」


何がおかしいのか理解に苦しむオレと違って、瀧澤は一緒になって高笑いしだした。


一人置いてけぼりを喰ったオレには
笑えるとこなんて爪の先ほどもねえし。



「なんか…自分ら意地ッパリ同士やなぁ」


やっと笑いが治まった毅が、歌うように言った。


「そんなことない!」
「そんなことねえし!」


と瀧澤とオレが同時に叫ぶと、また毅と瀧澤は爆笑。


おかしいツボがわかんねぇよ。


そしてふと気付く。


瀧澤がこんな弾けたみたいに笑ってるの、初めて見た。


目の縁に涙までためて、お腹を抱えて笑う姿は、健康的で朗らかで、
瀧澤にはこんなとこもあったんだ、と知らない人のように感じる。


でも笑いが落ち着いてくると、最近始まったツンツンした様子に戻り、
何を見てるんだ的な目で睨んだから、オレは慌てて視線を外した。


女子、しかも最近まで付き合ってた女子に、こんなにビビりまくる自分がちょっと情けない。


でも、怖ぇ目すんだよなぁ、瀧澤。


< 122 / 219 >

この作品をシェア

pagetop