HAPPY DAYS
「私…自分でも気持ちが分からない」

瀧澤とボクは学校の屋上で寝転んで空を見ていた。

「人間の気持ちなんてみんな複雑で分からないよ。瀧澤は真面目だから、分からなきゃならないみたいに思い込んでるんじゃない?」


春らしいくすんだ空。青というよりブルーグレー。


「そんなに全部が全部、白黒つくもんじゃないよ。だって気持ちって、無理矢理 言葉に当て嵌めるけど、そんな枠ではくくれないことのが多いと思わない?」


「うん」


「瀧澤、何処進学するの?」


「ミッション系の私立の英文科か仏語科、が第一希望。毅くんは?」


「ボクは…行こうと思っている大学、少なくとも大切だと思える人の内2人が反対してきたから、違う事も考えるべきかな、って。髪を変えたみたいに。」


「そうなの?先生は進学率言うだろうから、国立進められたでしょう?」


「うん。純と同じになっちゃったな」


「…花巻くんと?」


「純もまだ決められないみたいだよ、あれ?知らなかったの?」


瀧澤はクスクス笑いながら


「話してくれるようなら別れなかったと思うよ」




笑った後の瀧澤は寂しげだった。
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