HAPPY DAYS
毅は、3年にして
初めて同じクラスになった。


毅はオレとは別に有名だった。


県立進学校のカナメ東高は、
校則も、制服もない。


オレは敢えて制服っぽい格好とか、
キレイ目なカジュアルが多い。


髪も染めない。


傷むから。


だから黒髪をワックスで浮かせて
動きをつけて軽目にみせる。


ダサい奴も、たまにはいるけど
秀才らしいこざっぱりした連中が多い中、
それでもオレは別格だと思う。


で、毅は
もっと別格。


ギザギザに切った頭は前半分は赤。


古着らしい柄のシャツに柄のベスト、
蛍光パンツが何故かハマッて見える。


そしていつもギターを抱えてる。


目はクリッとしたドングリ目。


小さくてとがった口は
無駄に開かない。


小柄だが何処か圧倒される。
そんな毅が隣り合わせの席になり、
3年1組のそこだけが
なんか異様なムード。


オレとか、問題ないタイプなのに
毅はしょっちゅう職員室。



その癖学年でいつも5番以内。
正直
やだな〜っ
て思った。




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