HAPPY DAYS
3人で連れだって学校を出る。


毅は自転車を押していく為に、ちょっと後ろを歩いていた。


瀧澤と並んで歩くなんて、本当に久しぶり。
何を話すべきか悩んでしまう。


「瀧澤…」


「毅くん、テキストないだろうから私が見せたげる。隣に座りなよね」


…瀧澤、話し掛ける隙もない。


予備校について、見学手続きをしたが時間がまだ早い。
お茶しようということになった。


沈黙。


気まずい。


気まず過ぎる。


「…毅、そのジャケット何処で買ったの?」


「古着屋」


沈黙。


「瀧澤、今日はいい天気だな、暖かいし」


「一日曇り空だったよ」


沈黙。


なんか言わなきゃと思って悩み出したら、急に瀧澤が口を開いた。


「土曜日のライブって、どんな感じ?」


「ボンのバンドはビジュアル系でJAMとかGAMとか、そんな名前で…オリジナル曲もやるしカバーもするんじゃないかな」


「ライブハウスなんて初めて」


「瀧澤はびっくりすると思う。おっかない感じだから」


瀧澤と毅が仲良く話し出した。


…入っていけないオレがいます。





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