HAPPY DAYS
「真知子さんに伝えたいことがあったから」


第五関門クリアー。


後は伝えたい内容を伝えれば全関門クリアー。
しかし最終関門を前に、ボクの言葉はうまいこと出てこなくなってきた。
ひねくれた事だけは言いたくない。
尚更ガキ扱いされるだけだ。
自分のやり場のない気持ちをやみくもに叩き付けるような、
頭の悪い人間になるのはごめんだ。
全てを包み込める包容力のある、大人の男こそ、ボクの目指す高みであり、真知子さんに相応しい人格だ。


真知子さんの長い髪が肩から落ちてこなければ、
その都度、真知子さんがうなじが見える角度で髪を後ろに流さなければ、
そんな真知子さんがいるだけで、このリストランテが丸で劇場にでもなったような異空間にならなければ、


多分、もっとスラスラことが運んだはず。



前菜が運ばれても、しどろもどろなボクに、
何だか真知子さんまで落ち着きを無くしてきた。


言葉にならないような切ない片思い。


アナタガ好キデス


これからも見つ続けることしかできないの?


アナタヲ愛シテル




言うべき言葉ではなくて、メロディーが浮かんで来た。歌詞も、ハモりも。


ボクは、アホです。




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