HAPPY DAYS
毅 DAYS 14
気にするのはボクだ。

と叫びたい気分。

真知子さんはすました顔でコーヒーを飲んでる。いつもブラック。

ボクは全てを悟った。

真知子さんは分かってる。だけど知らん顔をして、ボクの気持ちをやり過ごすつもりなのだ。

でも、なぜ?

嫌なら振ればいい。

それだけじゃないか。

だからやめた。


真知子さんが嫌がる事をしたくない。…好きだから。ボクにはまだ見えて来ないが、真知子さんなら、何か意味のある事なんだろう。


ボクは前向きな撤退を決意した。


真知子さんの為に。


「じゃあ、うちで勉強見てあげようか?毅くんがうちに通うの。それならオッケー?」


「はい」


「じゃあ、もう遅いし、出ようか」


帰りのクルマでは、またあの失恋ソングが、続きを聞かせようと待ってるはずだ。


縁起の悪い曲を聞きながら、ひと時のドライブを、食後のコーヒーみたいに味わおう。





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