HAPPY DAYS
純 DAYS 15
電車に乗ってる時間がたまらなく長く思えた。


扉が開くと同時に飛び出して改札まで走ったが、


君代はいなかった。


…さすがに学校に行った?


でもオレは何か胸騒ぎがして、その足で君代の家に向かった。
君代ママは近くのホームに介護士のパートで毎日5時までいないはず。


だから誰もいないと分かっていたけど、君代が見付かるまでとにかく全てを確認せずにはいられなかった。


案の定、君代ママのクルマはない。


念のためチャイムを鳴らそうかと躊躇っていると、君代が歩いて来るのが見えた。


君代はオレを見るとかけだした。


「純!何かあったかと思って心配したよ!今、純のうちに行ってきたの」


「ごめん」


「純、お昼食べた?」


「…朝から何にも食べてねえ」


「うちにどうぞ。ラーメンくらいなら作れるよ、…多分」


ラーメンくらいなら、多分オレのが上手く作れるだろう。
君代はオレの作ったラーメンを何度もおいしいと言いながら食べた。


ラーメン食べていてもかわいいのは、君代くらいだろう。


小さな口がかわいい。


湯気のかかった細い鼻先がかわいい。


もぐもぐ動く顎がかわいい。



やば。



さっきまで悩んでいたのに
オレまた、サルモードに入った気がする。



食欲の充たされたあとは…って本能のままかよ。



君代は、黙りこんだオレの様子に察しがついたのか、
ちょっと笑った。



けど、いつもみたいに
誘って来ない。



つまり、脚を絡めたり、体を触ったり、意味ありげに笑ったりさえしてこなかった。



…?





どうして?





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