HAPPY DAYS
「毅くんて、お母さんとは仲良し?」
「まぁ、割と」
「ふぅん、なんか今時の若いコな感じ」
「瀧澤だって今時の若いコに違いない」
瀧澤はニコッと返事がわりの微笑み。
「でも私は…最近あんまり母とうまくいってなかったかも」
「そうなんだ」
「…なんで私の親だけ、こんな人なんだろうって思ったり…」
瀧澤みたいなことを、ボクも父さんに対して思ってたのを思い出した。
親否定の苦しさは子供しかわからない。
「だから、母がこんなことになったのも私のせいみたいな気がして…」
瀧澤の目に灰色の陰。
「ママなんていなければいいのに…って思ったりしたから…」
段々声が聞こえないようになった。
ボクは瀧澤の肩に手を回し、抱き抱えるようにした。
気持ちはわかったよ、大丈夫だよ、という思いをこめて。
二人は暫く黙ったままでいた。
「…瀧澤、そのオニギリ美味しい?」
「うん」
「しっかり食べなよ」
「うん」
淡いグリーンのカーテンの向こうから、瀧澤のお母さんの規則正しい寝息が聞こえてくる。
「お母さん、手術成功して良かったな」
「うん」
瀧澤の視線とボクの視線とがぶつかった。
真横にある顔と顔。
でも1番近くにあったのは、ボク達の心だったみたい。
瀧澤とボクは拳と拳を軽くぶつけ合ったのだった。
「まぁ、割と」
「ふぅん、なんか今時の若いコな感じ」
「瀧澤だって今時の若いコに違いない」
瀧澤はニコッと返事がわりの微笑み。
「でも私は…最近あんまり母とうまくいってなかったかも」
「そうなんだ」
「…なんで私の親だけ、こんな人なんだろうって思ったり…」
瀧澤みたいなことを、ボクも父さんに対して思ってたのを思い出した。
親否定の苦しさは子供しかわからない。
「だから、母がこんなことになったのも私のせいみたいな気がして…」
瀧澤の目に灰色の陰。
「ママなんていなければいいのに…って思ったりしたから…」
段々声が聞こえないようになった。
ボクは瀧澤の肩に手を回し、抱き抱えるようにした。
気持ちはわかったよ、大丈夫だよ、という思いをこめて。
二人は暫く黙ったままでいた。
「…瀧澤、そのオニギリ美味しい?」
「うん」
「しっかり食べなよ」
「うん」
淡いグリーンのカーテンの向こうから、瀧澤のお母さんの規則正しい寝息が聞こえてくる。
「お母さん、手術成功して良かったな」
「うん」
瀧澤の視線とボクの視線とがぶつかった。
真横にある顔と顔。
でも1番近くにあったのは、ボク達の心だったみたい。
瀧澤とボクは拳と拳を軽くぶつけ合ったのだった。