HAPPY DAYS
瀧澤とボクの意外な共通点。好きなアーティストが一緒だった。

後、好きな映画や好きな本の系統も似ていて

「だったらこれ見た?」

と紹介しあった。

特に瀧澤の亡くなったお父さんが、海外のレトロなロックアーティストのファンだった為、瀧澤がそこら辺のマニアより、マニアな事を知った。


「それで楽器がやりたいから吹奏楽入ってたんだ」

「中学から吹奏楽だったから…、初めから軽音にしとけば良かったかもね」

「別に吹奏楽だっていいじゃない」

「タカノさえいなければね」

瀧澤は笑いながら言った。

「彼氏にきついな」

「もう別れるわ」

「もう?付き合い出したばっかりじゃない」

「だって、付き合わないと吹奏楽辞めさせてくれないって、はっきり言われたから」

「そりゃあいつ、最低だわ」

「カナメ祭にやれるなら、私もギター弾きたい。ピアノでもいいけど」

「ギター弾けるの?」

「パパのはあるけど…弾けるかな」

「なんだそりゃ」



「紀子…」

カーテンから弱々しい声がした。
瀧澤はすばやくカーテンの中に入って、何か小声で話していた。

瀧澤が外に出て来たので、ボクは帰る事にした。

「瀧澤、ボク帰るから。何か必要なものがあったら言って。買ってくるし。…後、不安になったら連絡して、飛んでくる」

「…ありがとう」

瀧澤とボクは、また拳同士を軽くぶつけた。





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