HAPPY DAYS
母の容態も落ち着き、完全介護の病院なので、夕方には帰宅した。


帰り道、メールBOXを見ると、タカノくんから20通、花巻くんから1通入っていた。


タカノメールは全て削除(着拒否決定)し、
花巻くんのメールをそっと開いた。


花巻くんの、多分最後のメールだろうと思うと、胸が本当にキューッと痛む。
痛むけどもう平気。
読む勇気はある。


「紀子、勝手に帰ってごめん。あんなメールまで書かせて、最後まで紀子に任せっぱなしだった。こうなったのは全部オレが悪い。今までありがとう。明日は学校来れそう?オレが出来ることは言って。ノート取っとくよ、…友達として。」


きまじめな花巻くん。


きっと友達としてでも、彼女以外の女の子となんか付き合えないはず。


ありがとう。


その気持ちで充分。


あなたの笑顔や涙が私の思い出になってる、それで充分。


人を愛する喜びを教えて教えてくれた花巻くん。


あなたは嫉妬も怒りも悲しみも教えてくれた。


あなたを忘れない。


恋する度に、きっとあなたを思い出す。
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