HAPPY DAYS
瀧澤を一人置き去りにして帰るのは不安だった。


かといってボクは男だし。


でも友達同士だから?


いや、こうゆう事って女の子の名誉の問題だから、何にもなきゃ良いってもんでもないでしょ。


でも…


ボクは携帯を持って廊下に出た。電話をかけるため。それは…純に。
何コールもしない内に純が出た。上擦った声。


「毅?どうした?」


「今、誰といる?グラマラスGirl一緒?」


「…うん」


「よし、今から二人で瀧澤んちに来なさい」


「…え?」


「いいから来なさい。大至急」


電話を切った。


しばらくぶりに純と話した。ちょっと胸がざわめく。


この高揚感は喜び、だよね。


純の返事を聞かずに切ったけど、奴は絶対来る。



「毅くん、帰るの?」


瀧澤が廊下に出て来た。


「帰らない」


帰らない訳を話そうとする前に、瀧澤の唇がボクの唇を閉ざした。


ハーブティーの味がした。



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